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長友啓典
Keisuke Nagatomo
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1939年大阪生まれ。1964年桑沢デザイン研究所卒業。日本デザインセンター入社。1969年黒田征太郎とK2設立。
エディトリアル、各種広告、企業CI、及びイベント会場構成のアートディレクションを手がけるほか、多数の小説に挿絵、エッセイ連載など、現在に至る。
日本工学院専門学校グラフィックデザイン科顧問
、東京造形大学客員教授




Translation to English

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装丁問答イッキ読み
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「PIKADON」
衣食住をテーマにイノチのことを考えます。




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装丁問答.2
装丁問答2 本屋さんにも「本のソムリエ」

小さい頃から本屋さんがなんだか好きだった。小むずかしい哲学の本、思想的な本の並ぶ棚の前に行くと頭が良くなった気分になる。自然と鼻の穴が開き(単なるクセ)、カラフルな雑誌を見ると自分が人気者(アイドル)になった気分になる。『三銃士』『ロビンソン・クルーソー』、講談本の『荒木又右衛門』とか『宮本武蔵巌流島の決闘』、マンガのコーナーではそれこそ主人公のヒーロー気取りでむさぼり読んだ。
でもまさか自分が三十年後に雑誌・単行本の仕事に就くとは夢にも思っていなかった。これまで自分が装丁した本も数百冊、いや数千冊はいっているかもしれないのでこれらの本は一応目を通している。この期間の読書量は普通の人よりは多いと思う。
この仕事に就いても、本屋さん巡りの習慣は続いている。どの街に行ってもどこの外国に行っても、まず時間があれば本屋さんに足が向いてしまう。居心地の良い本屋さんに出会うと心が躍り、ついつい長居をしてしまう。

最近のお気に入りの一つが六本木ヒルズの「TSUTAYA」だ。ワインにソムリエがいる様に最近の本屋さんにも本当の本好きの「本のソムリエ」的な人がいる。本屋さんが推薦する『博士の愛した数式』小川洋子(新潮社・新潮社装丁室)がベストセラーになったという動きがあるぐらいだ。もっともっとそういった動きが多くなれば活字離れ(僕はそう思っていないのだが)が復権するのではと思っている。

事務所が六本木にあるもんで、事務所に入る前には本屋さんに立ち寄るのが日課のようになっている。永年、親しんでいた六本木交差点の誠志堂さんがなくなってなんだか寂しい日々を送っていたのだが、代わりにあおい書店、青山ブックセンター(先だって復活した)を覗く回数が多くなった。

自論として良い装丁の内容は「良ぇのに決ってるやんか」というのがある。これは結構あたりはずれが少ない。今は絶滅に近いがレコード全盛期、ジャケットを見て(インテリアの装飾品としてもオッケー)買う「ジャケ買い」というのがそういう意味で的を射ていた。
アメリカのジャズピアニストの巨匠、セロニアス・モンクの名盤にポール・デイビスというイラストレーターが双発の飛行機を運転している似顔絵を描いていたが、その絵は目茶目茶僕の脳に刻み込まれている。モンクのピアノが浮かんでくる。日本でもグラフィックデザイン・イラストレーションが市民権を得た一九六〇年代頃、横尾忠則、和田誠、宇野亜喜良、灘本唯人といった人達が洋楽邦楽を問わずジャケットデザインでも活躍された。LPレコードは店頭より姿を消したが、この伝統(ジャケ買い)は書籍に受け継がれている様な気がする。
装丁問答.2_c0009877_12503597.jpg

最近の本屋さんで見る傾向は、あたり前の事だが装丁者・ブックデザイナーの人達が若くなった。作家の人達も若くなった。昨年の芥川賞受賞作家、綿矢りさ、金原ひとみは世間を騒がせた。これらの装丁は瑞々しく、いかにも若者らしい。一昨年から昨年にかけてメガヒットをとばした『世界の中心で、愛をさけぶ』片山恭一(小学館・柳澤健祐)などもそのひとつだ。
写真をブックデザインの表紙にするのはいろいろな意味で敬遠されていたものだが、これを機に本屋さんの平台に目立ち始めた。『東京タワー』江國香織(マガジンハウス・坂川栄治+藤田知子)が只今ヒット中だ。先日、写真でデザインされた数冊をまさしく「ジャケ買い」で手に入れた。その本をこのところ我が家の机の上にならべて鑑賞している。そこから気のむくまま一冊を取り出して、ウイスキーを片手にページを繰るのが今の楽しみというもんだ。
by k2-d | 2006-05-11 12:52 | 装丁問答
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